『森の力』は小ネタがいっぱい

『恵みの森 癒しの木』よりももっと森林インストラクター試験に
役立ちそうなのが、『森の力』という本です。
遷移や間伐などについてわかりやすく書かれています。
印象に残ったのは、どんぐりとリスの関係。
どんぐりは、コナラやクヌギなどの果実の総称です。
これらの木は、自分たちの仲間を増やす方法として
動物に手伝ってもらっています。
そのひとつがリスです。
リスはどんぐりを食べますが、食べきれないものは
土の中に貯蔵します。しかし、貯蔵して食べ忘れたものが
種子として発芽するのです。
コナラやクヌギなどのどんぐりをつくる木は、
どんぐりの不作の時期をつくります。
なぜなら、どんぐりが豊富だとリスの数が増えて、どんぐりを
すべて食べつくしてしまうからです。
そのため不作の年をつくり、リスの数を調整し、次の年にどんぐりを
豊作にします。すると、リスの数に比べてどんぐりが多くなり、
リスが食べ忘れる確率も高くなるというわけです。
リスとの共生関係をうまく保っているわけです。
生物科学的にこうしたことの確証が得られているわけではないのですが、
植物が繁殖していくための戦略としては十分考えられることです。
こういう小ネタがたくさんあるので、勉強しようという人以外でも
たのしく読めるので、おすすめです。