「食品値上げ」で生まれるチャンス

原油価格の高騰で食料品が軒並み値上げしています。
これっていいことでしょうか、悪いことでしょうか。
少なくともマクロの視点でみれば、いいことだと思います。
ミクロの視点でみれば、生活に困窮している世帯では死活問題ですが、
ものごとにはいい面と悪い面が必ずあると思います。
だからマクロの視点でみれば、いいことです。
なぜか。


今、環境問題の中でもゴミ問題はとても大事な問題ですが、
生ゴミで処理されるもののうち、賞味期限切れ前の食品が40%という
データがあります。価格が高くなれば、もっと食べ物を大事にしようと
するのではないでしょうか。
家庭での廃棄がそれだけあって、さらに売れ残りのために捨てられている
食品はもっと多く、日本全体で廃棄されている食糧はものすごい量です。
食糧自給率が39%(カロリーベース)であるというのに、
それだけ捨てられているのです。
貨幣価値でしかものの価値をはかれなくなった現代社会では、
食糧廃棄を減らすには価格を上げるしかありません。
残念ながら、「農家の方に申し訳ない」とか、「お天道様に申し訳ない」と
いった日本人が昔から持っていた価値観は失われてしまったのです。
「ブランド牛肉を腐らせたらもったいないけど、
100円ショップで買った食材は捨ててももったいなくはない」
という世の中なのです。
「もったいない」=「お金がムダになる」という図式のなかで、
海外から多くを輸入している食糧を大事にするには、
価格を上げるしかありません。
ここはいっそのこと価格が上がったことで、
食べ物の有難みを実感してみようではありませんか。
値段が高ければ大事にします。だから、食べものも大事にする。
食べ物の価値を考えてみるいいチャンスです。