日本人の悪いクセ

食品再利用問題というのがちょっと前にありましたよね。
廃棄カツを廃棄するといって引き受けた産廃業者が、
別の食料品メーカーに転売していた件だ。
この産廃業者は、双方からお金を受け取っていたので、
双方から詐欺で訴えられることになるのだろう。
この産廃業者はまったくけしからんのだが、
これとは別の本質的な問題がある。
それは、転売してもまったく問題のない品質のものが、
日本全国で日々、廃棄されているという問題だ。
私たちは手元に小金さえあれば、いつでもどこでも思い立ったときに、
好きなものを食べることができるようになっている。
コンビニに行けば、大体のものが揃っている。
この「揃っている」状態を維持するということは、廃棄と裏腹なのだ。
揃えて売れなかったときには、廃棄されるしかない。
「日本では、輸入する食料と同じぶんだけ捨てられている」
ことは、日本人全員が知っておかねばならない。
私たちが「いつでも、どこでも、思い立ったときに好きなものが食べられる」
状態を維持するために、そのようなシステムを作り上げたのだ。
でも、この「廃棄カツ」のニュースで騒いだとき、
誰がこの点を指摘しただろう。
ワーッと騒いで、すぐに忘れる。
「で、あれは何が問題だったんだっけ」
もうわからなくなっている。
私たちの悪いクセだね。
廃棄食料の問題を追っていくと、雑誌の10ページの記事になる。
そんなの誰が読む?
結局、うやむやになって何も変わらない。
食の安全っていうだけではダメで、関心を持たないといけない。
それがすべてのはじまりだ。