「なぜあなたはやらないの?」

以前に映画館で見た映画「県庁の星」がテレビでやっていたので、
また見たけど、これけっこういい映画だと改めて思った。
けど、ぼくが絶大な信頼を寄せる映画レビューサイトでは、
意外なほど評価が低かった。
この映画は、県庁のエリートが研修で出向いた先のスーパーを
改革していくというものである。
最初はエリート風を吹かせて、敬遠されるが自分の思いあがりに気づいて
パートらと融合し、見事に改革に成功させるというもの。
評価が低い理由として、


古い


ありきたり


ベタな演出


などが並んでいた。
でも、こういうものごとがいい方向に進んだり、人が成長する物語が
ぼくは好きなのだ。
それは、仕事で、ものごとがいい方向に進んだり、人が成長する話を
本にしてきたからかもしれない。
つまり、ものごとや人が変化すること。
変化には膨大なエネルギーを伴う。
変化のコストを過大に評価するから、みんな変われなくなる。
最初は改革意識をもっていたのに、時間の荒波にさらされていくうちに
徐々に侵食され、気づいたらどこから見ても丸くなる。


変化することがいかに大変か


そういうことを、ぼくは仕事を通して学んだ。


映画を見ながら、ぼくは「あの社長なら、こう改革するのではないか」
という考えが頭をよぎり、そのうち、「おれならこうする!」という
イデアもふと思いついたりする。
でも、その瞬間、こうも思ったりする。


「でも、それが中にいるとできないんだよね」と。


でもまた思いなおす。


「外からの圧力がないと変れないんじゃ、情けない」


その次の瞬間、こう自問自答する。


「じゃあ、なんであなたはやらないの?」


そう、この県庁さんのように、自分も今の仕事の中で変えたいって
思っていたことってあったじゃない? それはどこいっちゃったの?


できる、
できるはずだ。
テレビに向かって突っ込む前に、自分はどうなんだ?って考えてみる。
人は必ず変われる。
変化にはエネルギーを要する。
そういうところにエネルギーは注ぐものだ。