「ラムダイアリー」

ジョニーデップ出演作で、ぼく的にヒットしたものがなかったので、
彼にはあまりよい印象がない。
全然嫌いではないけど、あまり印象にないのだ。
今回の「ラムダイアリー」は特に大した事件は起こらない。
その名のとおり、日記に書かれる程度の日々。
それも酔っ払いたちの日常だ。
プエルトリコが舞台で、素晴らしく美しい海岸のシーンもあれば、
雑然とした下町のシーン、うらぶれた田舎のさびしい道のシーンもある。
そのなかでジョニーさんは、ジャーナリストの役を演じる。
実はのちに著名なジャーナリストになるらしいのだが、
その片鱗が映画にはまったく出てこないんだよね。
ワルにもなりきれないが、正義漢であるわけでもない。
美女とねんごろにはなるが、それもすぐに終わる。
でもね、考えてみると、ほんとのジャーナリストっていうのは、
本やネットで得た情報をこねくりまわしてみるんじゃなく、
自分自身が苦しさや痛みを抱えた中で、渦中に飛び込んで行って、
そこでなんとか生き抜くエネルギーとか、勇気がある人であってこそ
成り立つ役目じゃないかなあって思う。
彼は自分で実感しようとしているし、自分の生き方を投影した
ものごとの切り口、視座を持っている。
ジャーナリストは客観的であってはいけないし、
生きることに手を抜いてないことが大前提の資質だよね。
アウトローなお話が好きな人にはたのしめる作品かも。