カオス

刑事モノのミステリーで、いいやつも最後に悪いやつになるって
いうのはほとほと見飽きた。推理小説と同じで、プロットが斬新で
ないと、この手の映画は厳しいんじゃないか。
ちょっとは意外性があるから、それなりに楽しめる作品ではある。
なんでもカウスボタン、じゃなくてカウス理論というのに
ひっかけて犯罪が行われるんだけど、わかりにくい。
お金を何億盗もうと、なんかちっぽけな犯罪に見える。
もっと恨みとか、国の事情みたいなものが絡んでたり、
なんも理由がなかったりするほうが現代的なんだけどな、
などと思ったりする。
その中で主演の二人の男優はとても存在感があった。
ジェイソン・ステイサムライアン・フィリップ
どっちもまだ30代半ばでまだ若い。今後も期待できる俳優だ。
こういう映画を物足りないと思ってしまうのは、ぼくが
登場人物に感情移入するような映画の見方をしてしまうからだろう。
そのため、人物に深みがあって、葛藤とか苦悩がないと
薄っぺらに感じてしまうようだ。
もちろん、アクション映画や、ミステリーものにそういうのを求めても
しかたない。それはわかっているのだけど、ただおもしろいというだけで
なにかすっきりしないものが残る。
まあ、これはこれでいいのかもと思ったりするが、
変に期待するとたのしめないということなのかもしれない。