映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

若くして証券会社を成功させた実在の人物を
ディカプリオが演じている。
いろんな意味で、行くとこまで行っている映画だ。
金、女、ドラッグ。この3拍子が揃っている映画はいっぱいあるが、
ここまでお下劣、ゲスの極みをやったら逆に気持ちいいくらい。
中途半端さはみじんもない。
ここまでできるアメリカというのは、本当に自由な国だ(笑)。
人間というのは、いや、男というのは、金と女を求めて
右往左往するのだが、それが手に入ってみると、
途端に興味をなくしてしまうという悪いクセがある。
で、「はて、こんなことがやりたかったんだっけ?
なんのために仕事をやってきたんだっけ?」
の答えが出せない人は、ドラッグに転ぶ。
金と女を追っている間に、それが手に入ったあとの
楽しみを耕しておかなければならなかった。
それが主人公にはなかった。
父親が「いまにしっぺ返しを喰らうぞ」と忠告して、
主人公が最後は失脚することを暗ににおわせるのだが、
そんなことは見ている側は百も承知。
どれだけ胸のすく、転落を見られるのか、ラストに注目する。
でもね、「え、そんなもんでいいの?」って感じで終わる。
それがなんというか、不思議と嫌な感じじゃない。
とにかく、ひたすら金、女、ドラッグの話なんだけど、
さすがディカプリオという、迫真の演技で
十分に楽しめた映画でした。