誠実な商売をすることが大事

9月29日、かねてから行きたいお店があった。
もったいつけて言うほどのことはなく、ただの焼肉屋さんである。
近所の焼肉屋さんですが、毎月29日は「ニクの日」ということで
お肉だけが半額になるというもの。
土日に当たったら行こうと思っていたわけですね。
事前にメニューを調べたら、「焼肉3点盛り」というのがある。
値段は950円。
「これは半額になるのか?」これが私たちの一番の興味でした。
「3点とは何を指すのか?」「その3点を単品で頼むとどうなるのか?」
という疑問もありました。
小さなお店を繁盛させるコンサルタントさんの取材をしているので、
ここで一つ、私もこの店を試してみることにしました。
「焼肉3点盛りは半額になるのですか?」と聞いてみる。
「もしこの3点盛りが半額になる場合、3点を単品で頼んだときと
どっちかおトクか、こっちから言わなくても言ってくれるかどうか」
「半額にならない場合、それを教えてくれるかどうか」
この2点について、ちゃんと教えてくれなかったらもうこの店には来ない。
午後8時、焼肉屋に到着。あまり混んでない。
最初の注文のとき、焼肉3点盛り(ハチノス、ギャラなど8種類ぐらい
のお肉の中から3つを選ぶらしい)の半額うんぬんについてではなく、
内容について聞いてみた。
「このギャラっていうのは、どの部位ですか?」
「牛の胃袋ですね」と店員さん。
そのあと、店員さんはこういった。
「3点盛りは半額対象にならないんですよ。なるのは(メニューを指し)
こっちだけなんです。単品で頼んでいただいても料金は同じです」
こちらの心を見透かされたような返答でした。
まったくパーフェクトな回答だ。
聞いてもいないことをちゃんと説明してくれる。
お客が求めていることをわかっている証拠ですね。
当然、高い商品を買ってもらったほうが利益率は高い。
けれども、お客にとってトクすることをちゃんと説明したほうが
リピーターは多くなるということだ。
目先の10円拾うよりも、そのあとの1万円、10万円を見ている。
観光地なんかは、リピーターなんか考えていないから、
客から取れるだけ取ろうとする。どぎつい商売である。
でも、地域のお店はリピーター率が勝負なのだから、
誠実な商売をすることが大事ですよね。
ぼくは今後もこの店で食べたいと思った。
こういうことは客として外から見るとわかる。
けれど、中にいるとわからないものなのでしょう。
現に自分の商売だってそうですもんね。
「こんな商売して」と思われているかもしれません。
自分の商売を「誠実にやっているか」と振り返ることが
たまには必要かもしれません。