前にボールペンを返してくれない中年男性について書いた。
ほかの人にやったら困るので、日頃から気をつけてもらおうと、
ボールペンを貸したときに
「返してくださいね」と注文をつけることにした。
「ああ、わかったよ」と言ってくれ、このときは返してくれた。
それからまた何週間かして、「ちょっと貸して」と言ってきた。
そのときは、彼のほうから「必ず返す」と言ってくれた。
彼なりに気を使ってくれてるのだと思ってうれしかった。
・・・・・・数分後
どうやら私がお貸ししたボールペンでの作業は終わったらしかった。
・・・・・・数時間後
返ってこねーじゃねーかッ!!!
そうなんであります。
忘れているんであります。
私は思った。
ぼくらは20歳も年上の人に対して、
「なんでこうなんだろねー」と思うことは多い。
けれど、年を重ねてきてそうなったのだから、私などのような30代には
わからない「忘れ回路」ができあがってしまっているのだろう。
歳のせいか、その人の個性なのかは知らない。
だからといって「んもーう」と怒ってみてもしょうがないことだ。
私も同じようなことを年下の連中に思われることになるだろう。
結局、順番にみんなそうなっていくのかもしれぬ。
先か後かというだけのことで、たいした問題ではない。
またボールペンは取り返せばよい。
何度でも取り返せばよい。
それだけのことだ。