心意気って死語ですか

テレビである女性がこんなことを言っていた。
ネットで知り合ったメル友と、
お互いが好きなアーティストのライブに出かけたときのこと。
メル友は地方から出てきたので、ライブのあとは彼女の自宅に
泊まらせてもらうことになっていた。
ライブのあとみんなで居酒屋に行き、勘定になったとき、そのメル友が
「私、あまり飲んでいないんで少なめでいいですか?」
といった。
その言葉に激怒した彼女は、メル友を宿泊させずに自分だけ帰宅した。
「泊まらせてもらうのだから、『ここは私が払います』ぐらい言えないか。
その一言があったら、年下だし、私がおごってもよかったのに」
というのである。


それで昔のことを思い出した。
当時、私は東京で働いていて、地元岡山から友人が
仕事のついでに遊びにきた。
そのときちょうどお盆だったので、私が帰省するときに
車に同乗させてほしいというのである。
私は彼の予定に合わせて夏期休暇をとった。
大渋滞に巻きこまれ、700キロの行程を20時間かかった。
岡山に着いて、彼が降りようとするとき、私は彼に言った。
「車代、半分出せるかな?」
「ああ、えーと、いま持ち合わせが・・・」
というのである。
結局、待ち合わせた恋人にお金を借り、私に車代を払ってくれた。
最初から金を払うつもりなど毛頭なかったのだ。
東京から岡山まで軽自動車の高速代とガス代で、
当時片道1万5000円ほどかかった。
新幹線より少しだけ安かったと記憶している。
そのときはたぶん、7000円ぐらいもらったと思う。
彼を車に乗せるとき、3000円ぐらいもらえばいいかなと思っていた。
当然、彼から「半分出すよ」の言葉があるものと思ったから。
でもいっさいなかったので、きっちり半額を請求した。
当時、こちらは手取りが20万円を切るなかでようやく暮らしているのに、
実家暮らしの彼が金をもってこないのが解せなかった。
彼はこの直後、小学校の教員になったが、行く末が心配だ。
こういう人はたまにいる。
「ついでだからいいだろう」って考えの人。
そういうことじゃないでしょう。
大事なのは気持ちです。
また別の岡山の友人が私の車に乗って帰省したとき、
その彼は最初から半額出すよと言ってくれたので、
私は気持ちよくその申し出を辞退した。
飲み会でも「あんたは飲んでないから少なくていいよ」と
いってくれる人には、同額払う(たまにおごられるけれど)。
そういう気持ちが嬉しいからだ。
あと、たまにこういう人もいますね。
「今日は○○ちゃんのお祝いだから、○○ちゃんはおごりね」
それはいいが、残った人たちでワリカンをさせる人。
言い出した人が多めに払ったほうが、もっとカッコいいのにね。
それからこういう人もいる。
「1人あたり2880円だから、みんな3000円allね」
といって、自分が会計する人。
お前儲かってるやないかい!
ただ、よく言われる「1円単位までワリカン」の人には
いまだ出会ったことがない。そんな人、実在しますか?


ともあれ、心意気っていうかね、そういう気持ちが大事だね。
なんかしてもらったから多めに払うよとかね。
ほんとに払うかどうかじゃなく、気持ちを見せてほしいよね。
人のフリ見てなんとやらで、飲み会の席ではそんなことに気をつけている。