いざ、雪見温泉 その1

あんまり希望を早くから叶えると、後半生になってから
やることがなくなるかもしれない。
けれど、やりたいことはやりたい!
私の場合、そのひとつが「雪見温泉」であった。
ソフトスケジュールの合間をぬって、この三連休で
雪見温泉を敢行したのである。
行ってきたのは、福島は会津若松の南に位置する芦ノ牧温泉である。
この三連休はよく耳にするような温泉地は軒並み満室で、
探して探した末に見つけてきたのがそこだったのだ。
東京から4時間半をかけて最寄り駅に到着。
そこから車で5分でホテルに到着した。
名前を挙げてしまうが、そのホテルは芦ノ牧グランドホテルなのです。
このホテルのもてなしがどれだけ素晴らしかったかは、
また別に書くとして、それ以外のことを書こう。
芦ノ牧温泉は、残念ながらかなり閑散としていた。
温泉地はどこもあまりいい話を聞かない。
ストレス社会、癒しブームだというのになぜだろう。
ひとつは熱海に代表されるように、社用族が減ったことがある。
社員旅行で熱海というのが流行らなくなった。
最近では、中国から団体客が訪れるので盛り返している
という話もあるが定かではない。
地方全体が厳しい状況にあるから、温泉地も同じようなものと
思えば納得がいくが、ほかにも何か理由があるかもしれない。
芦ノ牧温泉は、ネットでは「旅館数15」などと紹介されているが、
実際はもっと少なそうだ。
廃墟と化した旅館の建物がいくつもある。
その建物一群のなかにかなり古びたマンションがある。
仲居さんやホテルマンたちは、こういうところから出勤してくる
のであろうか?
たぶん、旅館やホテルが借り上げしているだろうから、
タダ同然で住めるはずだ。
そうすると、住居費がほとんどないも同然だから、
生活は楽なのではないかなと思ったりする。
毎日のように温泉に入れるわけだし、そういう生き方も
あるのだなあと変に納得する。
さて、肝心の雪見温泉はというと、この日はまったくと言っていいほど
付近で雪を見なかった。ホテルの人にたずねると、例年では1メートルは
積もるとのこと。暖冬、恐るべしであった。