「死んで借金を返す」は許されるか?

9月14日、読売新聞朝刊に掲載された社説は衝撃だった。
消費者金融会社の大半が融資契約時に、原則として借り手に
消費者信用団体生命保険という生命保険の契約をさせている
ということが書かれてあった。
借りるほうに保険料を払う余裕はないから、消費者金融会社が
保険料を払い、そのぶん金利に反映させている。
借り手が死ぬと借金相当額の最高300万円の保険金を
消費者金融会社が受け取るという。
問題なのは、借り手の大半は生命保険の加入について
加入に十分な説明を受けていないことだ。
生命保険に入っていることを知らされずに、
「返せないんだったら、死んで払え」と取り立てにあって
はじめて加入の事実を知ることになるわけだ。
消費者金融元社員は「客が自殺すると『ノルマが済んだ』と
ほっとした」という証言さえあるという。
社説の見出しにも「命が『担保』の契約は許されるか」とある。
生命保険では自殺でも契約から2年(3年のものもある)を
経過していたら保険金が支払われる。
一時、自殺を助長するのではないかと批判があったので、
保険金が支払われない場合も増えてきたという話もある。
お金は命と引き換えにするようなものなのか。
そんなことがあっていいのか。
生保会社は自殺を助長しない状況をつくる必要がある。
利息制限法と出資法の間にあった違法金利、いわゆるグレーゾーンが
撤廃されることが決定している。
未曾有のゼロ金利で成長してきた消費者金融会社も
もっと社会的責任を自覚し、借り手が死ななくても済むような
制度をつくってほしい。