映画『恋人はゴースト』

恋人はゴースト movie

造園技士の男と研修医の女のラブ・コメディです。
ブログでのこの映画の評価を読むとすこぶるよい。
日本では劇場公開がなかったので惜しむ声も多かった。
ブコメの王道といった雰囲気を感じさせるつくりで、
笑ったり、泣いたりさせられる。
まあ、この手の映画をつくらせたらアメリカ人は抜群にうまい。
研修医の彼女は仕事一筋で男の気配もない。
一方の造園技士の彼は妻に先立たれて傷心の身。
そのふたりが意外な出会い方をする。
と、ここまで書けばタイトルからしてどんな話かバレてしまう。
なので、ここからはネタバレがあります。
この物語の肝は「なぜ彼だけに彼女の〝霊〟が見えるのか」ということ。
おそらく、「運命の人」だったからというのが一つと、
「妻を亡くしたという痛み」があったから
という二つの理由があると考える。
彼は妻を亡くしたことで傷心のあまり死人のようにして生きる。
そのため、死にかけていた彼女の霊が見えた。
彼女は自分がもうすぐ死ぬとわかってはじめて人生の意味について
考える。「私の人生は仕事……それ以外に何があったか」と。
一方の男も、彼女が死ぬ土壇場になって、「死んだような」人生を
断ち切り、彼女を救うという行動を起こそうとする。
死に直面することで初めて見えてくる何かがあることを
この物語は伝えたかったのではないか。
またいい映画に出合った。力強くお勧めする一本です。