悪質電話セールス再び

先日、マンション経営しませんかという営業の電話に
激怒したことをこのブログに書いたが、今度は「住宅販売の
ご説明をさせてください」という電話が自宅にかかってきた。
例によって、バカ丁寧な言葉で、ゆっくりはっきり話してくる。
話が長くなると、こちらが電話を切りにくくなる心理を利用して、
できるだけ話を引き伸ばそうとする。
「いまはお考えでなくてもいずれはですね…うんたらかんたら」
「現在は賃貸にお住まいですね。賃貸では資産にならない…云々」
「昔は金利が上がってローンが払えないこともありましたが、
そういうことが起こらない制度ができて…どうのこうの」
話の本題に入らないから、すぐに切ってもいいのだが、
記者魂がうずいてしまい、ちょっと話をしてみる気になった。
「いいですか、あなたの仕事はなんですか? 何の仕事ですか?
家を買いませんかという話ですか? マンション経営を
しませんかという話ですか?」
と聞いても、要領を得ない。
たぶん、自分のストーリーから外れると対応できないのだろう。
「昔は金利が上がってローンが払えないこともあったが、そういうこと
が起こらない制度」というのがそもそもあやしい。
政府・日銀はそろそろ量的金融緩和を解除して、金融引き締めに向かう。
すると、インフレ傾向になり、金利は上がる。
当然、長期金利も上がる。
そうした社会情勢と人生設計を考慮して、住宅を購入するか、一生、
賃貸に住むかを決めるものであり、この若い電話セールスのおにいさん
に言われなくても、来るべきときが来れば考える。
それでも会って話をしたいという。
こっちが会う必要はない、双方にとって時間の無駄、と言っても、
落とす自信があるのか、引き下がらない。
「あなたの話も、住宅もいりません」とはっきり言ってもダメ。
「切りますよ。もう電話しないでください」と言っても、
「いや、電話しますよ。話は終わってないですもん」
「絶対にしないで」と言って電話を切った。
その直後と、30分後に一度ずつかかってきたが、電話には出なかった。
彼はよく「話の本筋を理解してくださいよ」と言う。
話の本筋を煙にまき、話を長引かせて、住宅を買うとかそういう話を
知らないうちに既成事実にしてしまうのが彼らの手口なのだろう。
「いりません」と言えばすぐに引き下がる住宅関連の業者もある。
ちゃんとした会社はそんなものだ。
この個人情報保護法という法律ができた社会情勢の中で、
どこからか私の自宅の電話番号を調べ、営業の電話をかけるのは
まだ許せる。住宅は大きな買い物だから、100軒かけて1軒話を
聞いてくれる人がいると、売り込もうと必死になるのもわかる。
だが、何度もここで書いているように、私が断じて許せないのは
「昔は金利が上がってローンが払えないこともあったが、そういうこと
が起こらない制度」という、人の不安につけ込んだ商売をすることだ。
世の中の金利は連動しているので、金融機関はローンを組む際に、
世の中の金利が高くなれば、ローン金利も高くせざるをえない。
インフレの懸念があるのに、長期金利が据え置かれることは
考えにくい。バブルのときに金利を上げ、金融引き締めをあまりにも
過剰にやったものだから、バブル崩壊後になって給料が下がったのに
バブル時代の高い金利がそのまま残ったため、金利は払えず
苦しんでいる人が大勢いる。
そういう過去の教訓を生かそうとしている時代に、そうした不安を
逆手にとって売り込む商売があるのだ。
1人暮らしや日中自宅にいる人は、こうした電話の対応に苦慮している
と思う。今回はあえて話をしてみたが、絶対に話を聞いてはいけない。
こうした電話がかかってきたら、次の手順で対応する。
1.相手の会社名と氏名を紙にメモする。
2.相手の用件を単刀直入に一言で説明するように訊ねる。
 (住宅販売なのか、マンション経営なのか、ふとんのセールスなのか)
3.それを言わないようなら、はっきり「必要ありません。今後、電話
  をしないように」と告げて、相手が電話口で何か叫んでいても
  容赦なく電話を切ること。
4.次にかかってきても絶対に電話に出ないこと。電話番号を通知し
  てこない相手には電話に出ないこと。
以上のようにして、自分の身は自分で守るようにしてください。