世界経済がわからない 

EUが大変なことになっている。
ギリシャ危機に端を発した財政問題が、イタリアにも飛び火し、
優等生のドイツを困らせている。
イタリアの国債は3年物で8%前後にまでなっている。
ドイツの国債も、買い手が集まらない事態になっている。
こんな状況を指して、英国「エコノミスト」誌は、ドイツのメルケル首相
と、アメリカのオバマ大統領に和服を着せたイラストを表紙にしつらえ、
欧米の日本化が進んでいるといっている。
もうみんなよくしっているように、日本には900兆円とか1000兆円
とかいわれる借金があり、GDPの2倍も借金がある国は日本ぐらいだ、
なんてことがよく言われる。
一方で、市場はどう判断しているかというと、ユーロが売られて
円が買われ、1ユーロ=104円ぐらいになっている。
ここのところが、ぼくにはよくわからない。
市場は「日本はまだ大丈夫」と判断しているということなのか。
「市場は逃げ場所を探して日本円に来ただけ。
日本が成長するとは思っていない」という人もいる。
日本の借金が、国民個人の1400兆円ともいわれる資産のレベルに
なると、危険水域になるという人もいる。
私たちが銀行に預けている預金が、国債購入に振り向けられている
からだ。銀行が預金を集められず、国債を買えなくなると、
イタリアのように国債金利が上昇し、大安売りしなければならなくなる。
そのとき、海外の余っているお金が大量に流入する。
国債金利が上昇すると、将来の金利返済が膨大なものとなり、
国家財政は立ち行かなくなる。
そして、国債をお金に返られなくなったときがデフォルトで、
その後、ハイパーインフレになると言われている。
キャッシュの価値は激減し、長期金利は上昇、住宅ローンを払えない人が
続出し、貧困が拡大すると言われている。
ぼくは放射能問題については楽観的だけど、国家財政については悲観的だ。
イギリスのように徹底的な歳出削減と、増税を同時進行させ、
少しずつでも借金を減らすしかない。
加えて、金融緩和をもっと進めて、適度なインフレ状態にして
借金を相対的に減らすことだ。
いずれにせよ、急激な変化は困る。消費税にせよ、他の増税案にせよ、
なだらかな変化に、どうにかしてもっていけないものだろうか。