映画『亡国のイージス』を観る

真田広之中井貴一寺尾聰佐藤浩市ら、日本映画界を
代表する名優たちがこぞって出演した作品。
これ男くさい映画ですわ。
女優なんてほとんど出てこない。
んで、8割がた戦艦の中でストーリーは進む。
本物のイージス艦で撮影しているから、映像も迫力があった。
ストーリーは、専守防衛という自衛隊の基本姿勢をうまく
ついたものになっている。
つまり、自衛隊は向こうが撃ってこないかぎり、自分からは撃てない。
これはもちろん憲法第9条のからみがあるからなのだが、
専守防衛で軍隊と言えるのか」「いや、自衛隊は軍隊じゃない」
という議論をずっと繰り返して今日に至っている。
それで改憲なんていう話になっているわけですね。
で、国家というものをどう考えるか。
国と国家は違うのか。国家と政府は違うのか。
じゃあ、国家っていったい何よ?
シルミド』を観たときも思ったこの問いは、もうちょっと突き詰めて
考えておかなければならないなと感じた。
自分がやられる前にやるというのは、戦場の論理としては
正しいのかもしれないが、まずはやられる状況にならないように
することが必要だ。過去から学ぶのは、そうするためだろう。
最後にこの言葉を紹介しておく。
ナチス・ドイツの幹部で一時はヒットラーの後継者に指名された
こともあるヘルマン・ゲーリングが、死刑判決を受けた1946年の
ニュルンベルグ裁判で述べた言葉:
「もともと普通の人々は戦争をしたいと思っているのではない。
しかし結局のところ国の政策を決めるのは、その国のリーダーたち
である。民主主義であろうと、ファシズムの独裁であろうと、
共産主義であろうとそれは同じだ。
『自分たちの国が攻撃されている。愛国心のない平和主義者が
国を危険にさらそうとしている』と訴えさえすればいい。
この方法はすべての国で同じように効果的だ」