感謝することを忘れないようにするには

企業の新人や、リストラされたサラリーマンの研修で
三畳の部屋で一人きりになり、三日三晩瞑想するというものがある。
誰とも話をせず、ずっと自分と向き合う。
三日目になると、みんな涙を流しながら部屋から出てくるという。
自分がいかにこれまで他の人のお世話になってきたかに気づき、
にもかかわず、自分は何のお返しもしていないことに気づき、
自分ひとりでやってきたという思い上がりに気づき、
他人に生かされていることに気づき、感謝したのちに、
何かお返しをしなければと思うという。
100キロウォークをした人も同じような心境になったという。
ただ歩いているだけなので、いろいろなことを考える。
完歩して最終的にたどり着いたのは、達成感ではなく、
感謝の念だったという。
まず親、兄弟、それに友人関係、仕事の同僚たち。
すべての人たちのおかげであることに気づくという。
肉体とか精神を極限まで突き詰めていったときに、
人としての根本的なとこに突き当たる。
それは、あらゆるものに感謝するということだ。
人は一人では生きられないという。
頭ではわかっている。
だが、実際の日々の生活ではすぐにそのことを忘れる。
心の底から実感する出来事がないと、人は忘れていくのだ。
ぼくは今、本当に、心の底から実感したがっている。