映画『シルミド』を観る 

死刑が確定となった囚人たちを「シルミド」と呼ばれる
島に連れて行き、キム・イルソンのクビをとるべく訓練させる
計画を企てた韓国軍隊のお話。
一言、すげーなって思う。
囚人を特殊工作部隊に仕上げちゃうんだから。
今だったら確実に人権団体が怒ってきますよ。
韓国の純愛映画がヒットしたから、「こんなのもあるよ」
みたいな感じで持ってきたのがこの映画だった。
あまりヒットしなかったみたいだけど、
こういう現実があったことは、日本人もちょっとは知って
おいたほうがいい。
ところで、囚人たちが徐々に、韓国の国家について語り出し、
愛国というより、国家愛を抱くようになるのだが、
彼らがどのようにしてそういう考えを持つようにいたったかが
もっと描かれているとよかった。
元は罪人なんだから、国家なんてどうでもよかったはずだ。
そういう人たちが苛烈なまでの国家愛を抱くようになるには、
身体的苦痛を伴う訓練だけでは不可能なはずだ。
精神的な矯正が行われたはずなのだが、そこにはほとんど
触れられていない。
それをやり出すと3時間半の映画になったと思うが、
それでも見ごたえのあるものにすることは可能だったと思う。
この映画のテーマはそこにこそあったと思うのだが、
なんかもったいないなあという気がした。