「クマの逃走」

各地でクマが出没している。どうも今年の多かった台風のせいで
食糧となるどんぐりなどの木の実が落ちたせいだという。
たぶん町中に出没したクマたちは、山を「クマなく」歩いて
それでも食料が足りなかったのだろう。
クマは町中の柿を食べたいのだ。
ニュースに「クマは○○方面に逃走中」という文字が躍った。
だいたい「逃走中」というのは、凶悪犯とか、犯罪者に
使われることが多いと思うのだが、クマは何も
悪いことをしていないのに、なぜ「逃走」しなければ
ならないのだろうかと思う。
クマって、ディズニーキャラクターのプーさんとか、
テディベアとかいって、少女が抱いて寝るほど
人類から寵愛されてきた動物ではなかったのか。
先日も麻酔銃で撃って山に返せばいいという人と、
山に返してもまた戻ってくるという地域住民とが
論争を繰り広げていた。
確かに、出掛けようと思ったときに、クマが玄関にいたら、
気になってうまく靴が履けないかもしれない。
でも、どうにかして殺さないですむ方法はないものか。
どうしても殺さなければならないなら、
食べるわけにはいかないのだろうか。
衛生面とかいろいろな問題はあろう。
ただ、食べるためでなければ、できるだけ動植物は
殺さないようにしたいと、ぼくは思う。
クマもぼくらと一緒で生きるのに必死なだけなのだから。