「私がクマにキレた理由」

もうタイトルだけですね、見た理由は。
「え、なんでクマにキレたん?」って思いますもん。
クマってキレる相手じゃないと思うしね。
どうやら、キレたクマってのは、テディベアだったらしい。
モラトリアムを過ごす女学生の話なんだけど、彼女がなぜ
テディベアにキレたかは、映画を見てください。
主人公アニーは、ニューヨークでナニーになる。
ナニーはベビーシッターのこと。もっとも映画では幼稚園児の
世話をまかされるわけだけど。
内容は、セレブの子どもの世話をまかされた、大学で人類学を
学んだアニーが、セレブ一家に振り回されながら、
自分探しをするというもの。
この映画、コメディらしいんだけど、笑えるところはほとんどない。
私はそれより、親子関係を描いたヒューマンストーリーとして見た。
アメリカの成り金一家を揶揄した内容で、かなりの誇張はあるにせよ、
こういう要素はいくらか現実にもあるんだろうなあと思った。
アニーの「慈善事業より、子どものそばにいてあげて」
という意見はその通りだと思った。
だいたいこういう映画では父親不在なのだけど、
父親も仕事と家庭の両立に悩んでいるに違いなく、
ややステレオタイプな「セレブ観」ではあったが、
コメディとしてはそれでいいのだろう。
それほど笑えるわけでもないし、涙も出ないが、
職業の貴賎とか、「いい人生とは?」について、
少し考えるヒントを与えてくれる映画である。