幸せなふたり

先日、三週間後に結婚するという友人と
その妻となる女性と食事をした。
友人の彼とは付き合いは浅いが、
最初から打ち解けることができた。
彼らは出会って二年目に結婚式を挙げる。
彼女が、そっと彼の腕に触れるしぐさがやさしい。
彼の少しはにかんだ様子が微笑ましい。
とても雰囲気のいい二人だった。
披露宴には行かないが、二次会には参加する
ことにしている。
引越しをするので、小さい荷物を運ぶのに
ぼくの車を貸してほしいという。
喜んで、貸してあげた。
貸すのに条件をつけた。
「ガソリンを入れないで返すこと」
ぼくからのささやかなお祝いだ。
ところが、彼らはガソリンを満タンにし、
ビールとおつまみを買ってきてくれた。
何もするなと言ったのに。
うれしかった。
幸せなふたりを見ていると、
こっちも幸せをわけてもらったようで、
自然と頬がゆるむ。
三週間後のその日がたのしみだ。