違ってあたり前

東京西部はいまが桜満開である。

この時期、川沿いに連なって咲く桜を見ながらのジョギングは

もっとも楽しみなことのうちの一つである。

一斉に咲くソメイヨシノだからこそ、この景観が成り立つ。

ソメイヨシノエドヒガンとオオシマザクラを掛け合わせた

1本の木を増殖させたもので、すべてはクローンだ。

だからこそ、一斉に咲く。

だけど、よく見ると幹の発達や枝ぶりはそれぞれに違っている。

それぞれに土壌の様子や傾斜が違っていたりするから、

それに合わせて幹や枝を伸ばした結果だろう。

生まれ持ったものと、環境に影響を受けたもので、

その個体が受ける影響はおよそ50:50と思っている。

生まれもったものによって、一斉に咲くけれど、

幹や枝の様子は違う。

クローンでさえこんなに違うのだから、同じ親といえども

別の時期に生まれた子は育った環境が違うから

違った個性になるのも当たり前という気がする。

遺伝子がほとんど同じでもそれぞれに多様性がある。

遺伝子がちょっとでも違っていたら、何をかいわんやである。