娘に嫌われるかどうかは……

娘が生まれて言われるのは、
「メロメロになるんじゃないのぉ〜」というのと、
「ゆくゆくは『お父さんの靴下と一緒に洗わないで』って
言われるんだよぉ〜」というのが、2大フレーズである。
そういう話をしていたところ、先日、ある女性から
こんな嬉しい話を聞いた。
「私はお父さんが嫌いな時期がなかった。母親が父親を嫌っていたら、
私も嫌いになったかもしれないけど、うちは仲がよかった。
母親が父親を扱うときの態度によって、娘は父親を好きにも嫌いにもなる」
というのだ。
目からウロコが落ちたという気がした。
確かにそれはいえるかもしれない。
年の近い兄弟はだいたい仲が悪いものだが、それは二番目が生まれると
親は二番目にかかりきりになるので、一番目は親を取られたような気に
なる。年が離れていると、一番目も少しは大人になるので、あまり仲が
悪くならないのではないか。
私の友人に男4兄弟がいるが、それぞれがすぐ上の兄や弟とは
折り合いが悪いが、一つ離れた兄や弟とは仲が良いというのである。
つまり、1番目と3番目は仲がよく、2番目と4番目は仲がいい
ということが起こるのである。
何がいいたいかというと、子どもは小さい頃は世の中のすべてが
家族で、家族だけの社会しか知らないから、家族の中で起こることが
人格形成に影響するということではないかということだ。
だから、お父さんは家の外でいかにがんばっていてもダメなのだ。
娘が父親を嫌いになる理由は、「遺伝子的に近いものを嫌う」生物としての
性質によるという説もある。
遺伝子的に遠い存在ほど、病気やケガなどあらゆる面に強い固体ができる。
だから、自分と遺伝子的に近い存在を避けるという。
そのほかにも、フェロモンを知覚することによって生物的に
近親相姦を避けるためという説もあるという。
諸説あるなかで、女性の説が一番もっともらしいとぼくは思った。
それはそうだ。
母親が「お父さんのようになっちゃいけませんよ」と言っていたら、
娘が父親を好きになるわけがない。息子ならなおのことだ。
ということはだ。
実は、娘に嫌われまいと思ったら、まず妻を大事にせよということなのだ。
嫌われるにしても、まだまだ先の話だが、
とてもいい話を聞いた。
たまに思い出すようにします。