たった今、この場から 

アメリカのメジャーリーグベースボールMLB)は

20日に韓国で開幕を迎える。

春は始まりの季節、チャレンジの季節でもある。

大谷翔平、山本由伸を向こうに回して対峙するのは、ダルビッシュ有だ。

20歳までの彼はやんちゃな小僧そのものだったが、

20代前半から野球プロフェッサーとなった。

彼を変えたのが二十歳の夜だったという。

5点取ってもらったのにそのリードを全部吐き出すほど打ち込まれた。

宿舎のホテルに戻り、失意の中で彼は目を閉じ、想像する。

仕事もなく、お金もなく、食べるものもない40歳の自分をだ。

そこに神様が現れてこういう。

 

 

『おい、お前、20歳の時のことを覚えてるか? あの頃に戻りたいか?

 1回だけチャンスやる。

 その代わり、できること全部やらへんかったら、またここに戻すぞ』

(Number Webより)

 

瞼を開け、我に返ったダルビッシュは、そこからすべてを変えた。

栄養学とトレーニングについて学んだ。

必要とあらば専門家に頭を下げて聞くことも厭わない。

それからの活躍は周知のとおり。

このまま終わるのは嫌だ、20歳までは一瞬のようだった、

だったら40歳も一瞬だ、人生なんて儚い……

それなら今から本気で生きてみよう

そう、たった今、この場から。