映画「君の名は。」

ずっと食指が動かず、テレビ放映されていたものを録画したきり

になったいたものをやっとみた。「君の名は。」である。

高校生男女の心とからだが入れ替わる話らしいこと

だけ知っていて、あとは何も予備知識はなし。

途中から、そういう映画なん?といい意味で予想を裏切られた。

まず全体的な感想からいうと、途中からどんどん物語に

引き込まれていき、飽きることなく集中して見られた。

さすがに250億円とかの興行収入を得た作品だけある。

いろいろと納得しがたいことはあった。

人物が「その行動を取ることの必然性」をもう少し丁寧に

描いてほしかったという箇所がいくつかある。

「この理由があるからこの行動になる」という

納得感がないと共感できないからだ。

主人公の二人の男女は、普通の人なのだが、

勇気をもって行動したところに好感が持てた。

どちらも日常には飽きているのだが、失われて初めて

日常の大切さがわかるといったこととか、

この映画を通じて伝えたい思いをもう少しわかりやすいかたちで

提示してもよかったんではないかと思う。

けれども、いろんな要素を1つのストーリーに整理して

まとめて大人の鑑賞にも耐えうる作品にしている点は

素直に素晴らしいと思った。

新海誠監督のほかも作品も見てみたくなった。

あと、気になったのは背景があまりにも精緻に描かれている点。

人間の目は見たいものに焦点が合って、

それ以外のものはぼやけてなんとなく見える。

そうなっているのは、全部に焦点が合うと情報量が多すぎて

処理しきれないからだと思う。

これがこのアニメでは起こって、「背景がうるさい」状態に

なってしまう感じがした。

私には背景がざっくり描かれている作品の方が

疲れないので合っている気がした。