制裁を背景に強要するな

件の大学アメフット部の選手が、
監督、コーチの指示で反則を犯したことを告白した。
いかに監督、コーチの指示であっても
責任が自分にあることを前提とした釈明だったので、
とても潔い、誠実な態度だったと思う。


それに比べて、だんまりを決め込んでいる監督、コーチは
この謝罪会見をどう聞いたのだろう。
指導者がやってはいけないのは、
権力を背景に「〜すべき」に選手を従わせることだ。
つまり、選手にある行動を強要するとき、
権力を用いることだ。
権力は制裁と暴力を背景とすることで成り立つ。
制裁とは、練習や試合に出させないこと。
今回の場合、「試合に出させない」という制裁を用いて、
「相手選手をケガさせる」という行為を強要したことになる。
暴力(体罰)が社会的に認められなくなったので、
制裁を用いることで行動を強要したのだろう。
いつもいうが、制裁や暴力を背景に選手を従わせる
やり方は時代遅れで、卑劣で低俗な方法である。
スポーツに限らないが、指導者の立場にある人はすべて、
相手を納得させて動かす方法を学ばなければならない。
制裁や暴力という安易な道に逃げてはいけない。
結果を出している指導者は、ビジネス界の手法を取り入れたり、
心理学や統計学を駆使したりして、いかに選手を納得させて
動かせるか考えている。
そういう指導者の本がたくさん出ている。
学んで指導の場で生かしてほしい。