「キングコング(2005)」

1933年に公開されたオリジナル版は未見ながら、
リメイク版を先にテレビで観ました。
本来3時間もの超大作を、2時間半未満に収めており、
いくらか観やすくなっていた。
ある映画監督が撮影とかこつけて伝説の島を目指す。
そこには原住民と恐竜、それにキングコングがいるという設定。
この島にはものすごい凶悪な動物たちがたくさんいて、
一行の人々はいっぱい殺されちゃう。
でも生き残った人たちがキングコングを薬で眠らせ、
見世物にしようと、ニューヨークに連れてくる。
で、有名なエンパイアステートビルに登るという算段となる。
キングコングの動きがあまりに機敏過ぎて重量感がなく、
リアル感がなかったのは残念だったが、
アクションシーンはなかなか見応えがあった。
美女とキングコングにはある種の心の交流みたいなものが
描かれるのだけど、キングコングがなぜ人間にそういう感情を
もつのか理解できず、消化不良であった。
たとえば、キングコングが過去に母親を殺されていて、
美女に対して母性を感じた、とかそういう理由付けが欲しかった。
キングコングが美女を探してNYの街を駆けるシーンがあったが、
そうしなければならない強い動機が欲しかった。
強い行動にはその裏に必ず強い動機が存在する。
それを知ってこそ、「なるほど、そうなっちゃうのもしかたないよね」と
思えるのであって、それが明らかにされないまま話が進むと
私などはどうしても納得できないのだ。
何か納得できないものが残る映画だった。