江戸の人口 

いま東京の人口は1300万人ぐらいだと思う。

昔の江戸、安土桃山時代はだいたい10万人に満たない都市だったはずだ。

武蔵国国府が置かれた府中が長く中心地であって、

江戸はいわば郊外だった。

江戸城ができた室町時代以降に城下町として発展し、

明治になったころには100万都市になり、

今は神奈川、千葉、埼玉を加えた一都三県の人口は3700万人を超える。

日本人の4人に1人はこのエリアに住んでいるのだ。

昭和になってエネルギー革命後に人口は急増する。

というのも、人口は森林の規模に比例するからだ。

エネルギー革命以前の主なエネルギー源は森林資源だ。

煮炊きしたり、暖を取るのに木材が必要で、木材の量の分だけしか、

人口を増やすことができなかった。

いくら食料を増やしても人口は増えなかった。

だが、木材の代わりに石炭石油が使えるようになると、

その制約が取っ払われ、人口は急増した。

江戸も周囲の森林の量だけしか人口を養えなかったわけだ。

昔の江戸は今の地方都市の郊外のような、家と畑、田んぼが

まばらに点在する風景が広がっていたはず。

エネルギーが石油から別の何かになったとき、

風景はどのように変わるのだろうか。