「ワクワクが最強」② 

「楽しい」という言葉はとても頻繁に使われ、

「楽」をラクとも読むから、安寧な状態、ゆったりとして

リラックスしておもしろがっている状態というとらえ方を

している人がほとんどだろう。

スポーツでいえば、競技としてやるのではなく、

レクリエーションとしてやるもの、という感じだ。

日本では、武道が心身の修養として開発された関係で、

明治になって輸入したスポーツも武道と同じように

修養のひとつとして認識された。

心身の修養(人格を磨くこと)が目的であって、

それをやること自体は手段であった。

ところが、もともとのスポーツの考え方は違う。

スポーツの語源は、ポート(港)から離れること。

港は労働の象徴だから、労働から離れて気晴らしをする

ことがスポーツのもともとの位置づけだ。

だが、日本ではスポーツも武道と同じようなものとして

取り入れられた。

このことは学校の「体育」の授業でスポーツが取り入れられた

ことからしても明らか。

だから、日本人にとってのスポーツは心身を高めるための

「目的」のために行う「手段」なのだ。

スポーツは、この目的のための手段なのだから、

楽しむものではない、というのが日本人には根強い。

だから、「スポーツを楽しむ」というと違和感をもつ。

この意識をずっと引きずっている指導者も多く、

そのため笑顔でプレーすると、「へらへらするな」という。

体罰をする指導者にも、無意識的に

競技スポーツは楽しむものではない、と思っている。

これはとても根深い問題だ。