「楽しい」の中身を考えないと、すれ違いは続く。
学校の部活とか仕事とかで、「楽しむことが大事」などというと、
「そういう甘っちょろい考えでは成果は出ない」
という反論が必ず来る。議論はかみ合わない。
それは「楽しむ」ということの中身が、双方で隔たりがあるからだ。
学校の部活とか仕事とかで、「楽しむことが大事」というときの
「楽しむ」というのは、何も冗談を言い合って笑ったり、
楽々とレクリエーションのようにやることではない。
努力した結果、自分の成長が感じられたり、
自分がどれだけできるか試した結果、よい成果が得られて充実感を得たとき。
それらを想像してワクワクしている状態。
やるべきことに没頭して夢中になっている状態。
これが「楽しい」の状態だ。
この状態になったとき、努力は苦しいものではなくなる。
心拍数が上がるようなしんどい練習も率先してやるようになる。
そうでなければ、アスリートがつらい練習を続けられるわけがない。
その意味で結果を出せるアスリートは競技を「楽しんで」いるのだ。
「楽しいと思ったことはない」というが、
私から言わせれば十分楽しんでいるのである。
勝利を目指すのはそのほうがより楽しいからだ。
勝利を追求したほうがその競技をより楽しめるのは間違いない。
優劣を決めるということは、比べるということ。
比べなければ、自分が成長しているかどうかはわからない。
ただ、勝敗というのは、「楽しむ」ことの一要素でしかない。
だから勝敗「だけ」にこだわっていてはダメなのだ。
充実感が得られて、ワクワクして、夢中になる状態を
作り出すにはどうしたらいいか。
それは自分の頭で考えて行動することだ。
自主的、主体的、能動的であることだ。
組織のリーダーはメンバーがこのように行動できるような
環境づくりに注力するべきだ。