犠牲にならないで

子どもが通った幼稚園で、通園中のお母さんたちの声を

聴く機会があった。

みなさん、なかなか休むことができないらしく、

夫がやる家事・育児にイラついていらっしゃるらしい。

夫が一人の時間をくれても、

「自分だけ休んでしまって悪いと思ってしまう」とか、

「我慢して言いたいことが言えず、ツラい」という声もあった。

こういう声を聞くたびに、

日本のママさんたちはまじめすぎると思ってしまう。

夫に家事育児をやってほしいと思っているのに、

良妻賢母型の理想をいまだに手放さない。

「洗濯物がたまっている、食器がいつまでも重なっている、

子どもの寝る時間が遅くなるっていうけど、

それってそんなにマズイことなのですか?」

私は意を決して聞いてみた。

あるお母さんが

「自分が最後は責任を取らないといけないからだ」といった。

そのあとに「理想を下げないといけない」とも。

母乳を与える以外のことは男性でもできるのだから、

自分が責任を取るなんて背負い込まないで、

そこも夫やそのほかの人に手放していったらどうか。

他の人に任せる、そしてその人がやったことの出来がよくなくても

理想を下げて許容する。

そうやって手放していった結果、精神的にラクになって、

時間もつくって、自分自身の人生も大事にしたほうがいい。

自分を犠牲にしないでほしいと思う。

自分を犠牲にしている親の姿は子どもの教育にも悪い。

親はやっぱり自分が主人公の人生をしっかり生きて、

その様子を見せる。そうすることで、子どもに

「人生は楽しいものなのだ、この世は生きるに値する場なのだ」と

思ってもらわないとね。