逆は言えない 

「あそこの家は東京から子どもが帰ってきてるらしい」

ある地方都市でそういうことを言われることがあるらしい。

そういう噂がたちまち出回る。

コロナを過度に不安視する人たちにとっては、

東京に住んでいるというだけで恐怖なのだろう。

感染した人への差別もあるようだ。

「感染したのは気が緩んでいるからだ」

何て言われた人もいるらしい。

確かに気が緩んで感染対策を怠れば、感染しやすくはなるだろう。

だからといって、気をひきしめていても感染するのがコロナだ。

自分が我慢しているのに飲みに行っている人を見て

腹立たしい気持ちになるのはわかる。

気が緩めば感染しやすくなるのは確かであっても、

感染した人がすべて気が緩んだ人ではない。

逆は言えないのである。

これは相関関係と因果関係を取り違えた結果だ。

「気が緩んだ人が増えると、感染者が増える」は相関関係。

ある条件に伴ってある状態が起きる。

「気が緩むと感染する」これは絶対そうだとはいえない。

なぜなら「気を引き締めていれば感染しない」が成立しないから。

だから、気の緩みと感染は因果関係にない。

ただでさえ感染して苦しんでいる人を

攻撃する社会だけはしたくないものだ。