育児本では、「こうなると、こんな子に育つ」と書いてある。
スポーツ選手の子ども時代を追ったドキュメント番組では、
「このように教育されたから、こんなふうに育った」と
いう話がまとめられている。
このような話を見聞きすると、
Aという原因から、Bという結果が得られたように錯覚する。
これを因果関係という。
しかし、子どもの成長というのは、1つの原因から、
1つの結果が起こるように進むものではない。
ほかのあらゆることから影響を受けて人間は育つ。
教育の効果を示すとき、因果関係ではなく、相関関係である
ことを前提に受け取ることが必要だ。
Aという現象から、Bということが起こりやすい
というぐらいに考えておくことだ。
因果関係と言えないのは、人体実験をすることができないからだ。
これは健康問題でもそうだ。
「Cを食べたら健康になる」は、因果関係ではなく、
相関関係といえる。
大事なのは、こういう情報を受け取ったら自分の頭で考えて、
自分なりにアレンジしてやってみることだ。