職業柄、差別についてはことあるごとに実地で学んできた。
差別表現をすることは命取りになるからね。
その一方で、言葉狩りみたいなことも目にしてきた。
ある差別の意味を含んだ言葉を使わないようにした結果、
別の言葉が差別の意味を含むようになる場合もある。
誰かがネガティブな文脈である単語を使って、
それを他の人が「これいいじゃん」といってどんどん使うと、
その言葉が差別的意味を持つようになるのだ。
これを失くそうとすると、もぐらたたきになる。
差別表現自体より、差別表現をなぜしてしまったかに
本当は目を向けないといけないのだが。
差別心がなくなることはない。
だが、それを言葉や行動、表情に出さないようにすることはできる。
人間には理性というものがあるからだ。
私もここのところ、よく思うのは、
「自分には差別心がある」ってことだ。
それを否定するのではなく、自覚して外に向かって表現しないようにする。
多様化が叫ばれる昨今、これが必要なのかもしれない。