災害は常に想定を超えてくる

岩手県釜石を取材したときに多くの児童生徒が

日頃の防災教育の成果を発揮して、迅速に避難できたことを

取り上げて記事にした。

そのときに釜石で防災教育にあたった群馬大学名誉教授の

片田敏孝先生の言葉で印象に残っているものがある。

「災害は想定が大事。だが、その想定を常に超えてくるのが

震災であると認識しておくことはもっと大事」

という意味のことをおっしゃっていた。

「想定を信じるな」というのである。

自然の力というものは人知を超えるというのが、

片田先生の考えなのだ。

人間は自然の現象をコントロールできると考えてきたのが

20世紀の流れだったが、そうではなく、もっと謙虚に

自然の力を認識することが必要といっているのだ。

私自身も水害で被災するかもという経験をして初めて

このことが実感できた。

「備えあれば憂いなし」というが、

「備えあっても慢心なし」としなければなるまい。