昔、魚は「うお」と呼んだ。
「魚釣り」は「うおつり」である。
その後、お酒のつまみを指す「肴(さかな)」として
魚が適しているというので、魚を「さかな」と呼ぶようになった。
肴は酒のつまみの総称だから、総称を個別のものに
あてはめるのはいかがなものかと思う。
魚だけが「さかな」というのはおかしいだろうという
反発もあったらしいが、次第に定着していった。
言葉というものは、誰かが議論して決めてもその通りに
なるわけではなく、人が使わないと定着しないのだ。
それはどんな権力をも苦にしない。
そういうところがおもしろい。
「うお」の名はどんどん使われなくなっているから、
せめて私は積極的に使っていこう。