日本人と「個人」 

日本にはかつて個人という単位がなかった。

明治になって英語からつくったのが「個人」だった。

個人がないのだから、個人が所有するという概念もなかった。

紀元前には文字を持たなかったのも、その結果なのかもしれない。

狭い島国だから中で争っていくばかりじゃなく、

助け合って生きなければならなかった。

だから個人よりも集団が重視された。

これはとても地政学的に大きな要因で、日本人のメンタリティに

相当大きな影響を与えていると思う。

たぶん、中国やヨーロッパから見れば、未開の部族が暮らす

辺境の地が日本だったはず。

そこへ海外からの考えが入ってきたために、

今でもアイデンティティが不確かなままなのだと思う。

おそらくもう集団の時代には戻れない。

だとしたら、個人を確立させるしかないということなのだと思う。