映画『羅生門』

黒澤映画である。

氏の映画の中では、印象に残らない作品だった。

「人間は身勝手な存在であり、自分のことしか考えていない」

そういう社会批判が背景にある。

おそらくこの映画がつくられた時代がかなり影響している。

物語の舞台は平安時代

困難な時代である。

そういう時代には、人間の醜い本性が出てくるものだ、

人間ってこんなもんでしょと、黒澤は提示する。

身勝手に見える人の中にも、善らしきものがあることも

この映画では最後に語られる。

そこに一筋の光を見出せるところはよかった。