独り暮らしで得るもの

夕方のニュースは、勤め人がなかなか見られない時間だから、
おじさんを相手にしていない番組作りをしている。
だから、おじさんである私は、夕食づくりの手を休めた母親や、
高齢者らがどんなものを見ているのか、勉強になる。
今日は都心で3畳ワンルームが人気だというニュースを
次女と一緒に見ていた。
若者がいかに狭いかを強調したコメントをしていた。
それをみた次女がぽろっと、
「なんだかかわいそう……」とこぼした。
でもね、広いと家賃が高くなって大変なんだよ、
独り暮らしをしてみるとわかるよ、
と言っておいた。
かわいい子には旅をさせろというが、
私に言わせれば、かわいい子には独り暮らしさせろ、である。
独り暮らしをしたら、なんでも自分でやらなければならない。
掃除、洗濯をして、たまには食事もつくらないといけない。
家計をやりくりし、新聞の勧誘を断ったり、
排水口に溜まった食べ物のカスを取り除いたりしないといけない。
独りで過ごすのも慣れて平気になるから、
誰かとつながっていないと不安になることもない。
親元で暮らすよりお金はかかるが、
それ以上に、人生において得るものがある。
できれば、それを若い時にやっておくといいのだがなあ。