有能感の裏返し

予想をして「思った通りだ」と思うことがある。
そういうことを誇らしげにいう人もいる。
スポーツ選手をつかまえて
「活躍すると思っていた。思った通りだ」
といい、
芸能人をつかまえて、
「売れると思っていた。思った通りだ」
という。
こういう人はだいたい「あいつは活躍する」「あの子は売れる」と
年中言っている。
年中言っているから当たることもある。
だけど、外れていることも多いのである。
打率1割では「見る目がある」とはいえない。
人は自分で有用感、有能感を得たい。
だから予想が当たったことだけを覚えているのである。
自分は役に立つ人間であり、周囲の者より一段優れていると思いたい
のが人間という動物だ。
これをこじらせるとやっかいである。