涙が出る理由

箱根駅伝を見て感動するという人がいる。
涙を流す人もいるという。
「人が泣くのは、ほとんどの場合、悔しいから」
といったのは、上岡龍太郎だった。
箱根駅伝を見た人も、悔しいから泣くのだ。
何が悔しいのか。
ああいうふうに頑張れない自分に対して、だ。
箱根駅伝というのは、自分を極限まで追い込んで頑張った人しか
出られないわけでしょう。
何千万人が見るけれど、誰にも見られない練習に
途方もない時間を費やしてきたことが想像されるから、
心を動かされる。
ああいうのっていいなと思うけど、自分はああはなれない
そういう歯がゆさに対して涙が出る。
ああはなれないけど、なろうとしているというだけでも
素晴らしいこと。
少なくとも斜に構えて人のせいばかりにしているよりはね。