映画『ブッダ』

手塚治虫氏の原作本を2つの映画にまとめたもの。
東映がどういう理由でつくったのかわからないが、
どうしてもこの作品を映画化したかったという
制作陣の熱い思いが伝わってこなかった。
あと、吉永小百合氏をはじめとするメインの声優陣が
どうもしっくりこなかった。
なぜプロの声優を使わないのでしょうね。
手塚治虫氏がこの作品を通して何を伝えたったかが
あまり理解されていないように感じた。
物語を流すことに精一杯で、肝心のところが薄い。
それぞれの登場人物は、シッダールタが真理に
気づくために描かれるはずなのに、
どういう関係性があるのかわかりづらい。
映画というのは、誰にもわかりやすいもので、
それでいて上から目線で教えられることのない
エンターテイメントになってないといけない。
そこがとても難しいのだけど、まだまだ完成度は低い。
苦労してつくったのはわかるが、
もっと制作陣の熱い思いが伝わるものにしてほしかった。
いろんな人の意見を取り入れると、こういう凡庸な
作品になってしまうのだろうな。