「ROOKIES −卒業−」

連続ドラマを久しぶりに見ていただけに、
映画には期待してました「ROOKIES −卒業−」。
言いたいことはいろいろある。
2時間のうち、1時間をかけて高校野球の地方予選決勝を描く。
大事な試合の前日の夜に川でずぶぬれになるとか、長髪とか、
試合中に帽子をかぶらないとか、そういう高校野球らしくないところ
全てに目をつぶっても、不満が湧き出てくるんだからしょうがない。
映画って、何が言いたかったのかが伝わってこないと、
鑑賞後、なんとなく消化不良になる。
テレビドラマ、映画を通じて、「夢をもつことや諦めないことの大切さ」
がテーマであることはわかるのだが、映画ではもうひとつなにか
エッセンスがほしかった。
一つ見えたのは、「自分のプライドかチームの勝利か」と
選手たちが葛藤する場面。
結局、チームの勝利を優先するんだけど、もっと深い何かがほしかった。
言いたいことがありすぎてまとまりきらない映画もあるけれど、
この映画は、はっきり言って浅すぎた。
もし制作者側が、「いまの若いもんに難しいこと言っても理解できんだろ」
と思ってつくったんなら、馬鹿にするにもほどがある。
選手の成長を描くのは、技術だけじゃないと思う。
自分に替わって出場する選手を応援できるようになることとか、
自分たち本位の野球ではなく、相手のことを研究できるようになったとか、
用具を大事にする心が芽生えたとか、そういう成長を見たかった。
もっと細部にこだわってほしい。
CGを使ってボールを飛ばすのではなく、
下手でもいいから一生懸命に練習した姿を見せてほしかった。
汗と友情と涙……嫌いではない。いや、好きなほうだ。
だけど、この映画は単純すぎた。
いい映画をつくるというのは難しいのだろう。
そう思わずにはいられない作品でした。