「ギスギス」の正体

集団で糾弾する集団リンチ社会だなと思う。
不倫した女性アイドルは、仕事がなくなったし、
自分が不倫相手だった女性タレントも禊の期間が長かった。
不倫に過剰に反応するのは、ある意味で不倫が身近である証拠。
自分の身の丈に近い話には過剰に反応するものだ。
人間の関心というのは、場所と時間に比例する。
誰しも「今ここ」がもっとも関心が高いのであって、
それ以外になると比例して関心が薄くなる。
自分や自分の周囲に不倫というものが、
日常的に存在しているから、みんな過剰に反応する。
おかしなもので、女性の不倫より男性の不倫のほうが
許容される雰囲気がある。
特に落語家や歌舞伎役者といった伝統芸能の人たちがそうだ。
落語や歌舞伎が成立した時代は、一夫多妻みたいなもんだったからね。
とにかく、一度の不倫でここまで厳しく糾弾される社会というのは、
いまの不寛容な社会を反映していると思う。
他人の失敗を許せないのだね。
他人の失敗を許せないということは、
自分の失敗も許してもらえないことを意味する。
自分の失敗が許されないと思うと、とても息苦しい。
他人の失敗を許せないと、大変なストレスを感じる。
どっちにしても息苦しい。
もうちょっとゆるいほうがいいんじゃないか。
世の中のギスギスの正体は、こういうところにあるような気がする。