気になる誤用

ライターという職業柄、言葉の誤用は気になる。
最近気になっているのは、「香ばしい」「つぶらな瞳」だ。
「香ばしい」というのは、字のとおり、
香り高いという意味だ。
だけど、今は「おこげの風味」みたいな使われ方をしている。
焼きたてのせんべいが香ばしいのは当然だけど、
何でも香りがよければ、香ばしいなのだ。
かつては薫り高いという意味で使われていたのに、
最近は煮たり焼いたりときの臭いを香ばしいと言っている。
もっと広範囲に使っていいのに、使われていないという意味での
「誤用」なのであるが。
もうひとつの「つばらな瞳」というときの「つぶらな」。
漢字では「円谷さん」というように、「円」と書く。
つまり、丸いこと。
なのだが、「つぶ=粒」のイメージからか、
小さい目を褒めるときの言葉として「つぶらな瞳」が
用いられているような気がする。
反対語が「切れ長の目」だろう。
間違うと、人の心象を悪くしてしまいそうだから、気をつけたい。