早大はゴキブリになる?

妻の運転免許の更新にみんなで府中に行った帰り、
車のテレビで音声だけ聞いていた。
その解説者がこんなことを言った。
「慶大は春秋連続優勝を目指すわけですが、
早大はゴキブリになるわけですからね」
それを聞いた子どもたちが、驚愕の声を上げた。
「えっ! 野球やってるとゴキブリになるの?」
「そうそう、最後まであきらめず、しつこく塁上をカサカサと
動き回るゴキブリ野球! って、んなわけあるかいっ!」
すると妻も「私もゴキブリって何って思った」
とのこと。おいおい、しっかりしてくれよ。
「ゴキブリ」っていうのは、「5シーズンぶり」ってことでしょ。
「五季ぶりの優勝」という意味で、過去4シーズンは優勝して
いないということがいいたいわけだ。
硬式の大学野球リーグは春と秋にリーグ戦が開催される。
そろそろ優勝しないといけないという意味で言ったわけだよね。
でも、「五季ぶり」という言い方が耳慣れない子どもたちには、
「ゴキブリ」に聞こえたんだよね。
大人なら前後の文脈から「五季ぶり」って想像がつくのだけど、
子どもはそういうのがピンと来ない。
考えてみたら、言葉というのは前後の文脈からし
「こういう意味のことなんだろうな」と想像して意味や使い方を
覚えていくんだろうと思う。
「なんか釈然としないんだよな」という言い方を聞いたとき、
「釈然」の意味がわからなくても前後の文脈から言いたいことは通じる。
こうやって子どもも言葉を覚えるのだよね。
そう考えると、子どもがわかる言葉だけを
使わなくてもいいということになる。
私は子どもがわからないであろう言葉もバンバン使う。
文脈で意味が通じていれば、そのわからない言葉も子どもは覚える。
家で接する時間の長い、自分の子はそれでいいのだと思っている。
子どもの目線に下がっていくのではなく、
子どもを大人の目線に引き上げることが必要だ。
それには言葉を使っている大人が正しく言葉を使う必要があるのだけど。