スポーツはもともと遊び

私が大学時代に社会学科の卒業論文で書いたテーマは、
「学校スポーツがスポーツの大衆化と高度化に果たす役割」
というものでした。
そこでいろいろ調べて分かったことは、
日本ではスポーツが西洋から輸入された明治期に、
体育と混同されて扱われていたことを知った。
体育の目的というのは、誤解を恐れずにいえば
戦争に勝つことを目的としたものだった。
一方、西洋生まれのスポーツは、「disport」(気晴らし、遊ぶ)が
変化したものだといわれている。
port(港)からdis(逆の)という意味。
つまり、日常である港から離れる=気晴らし、遊ぶ
という意味が語源なのだ。
だから、気晴らしや遊びがスポーツの本来の姿。
そこに勝負の要素を持ち込んだのが、近代オリンピックだ。
スポーツをなんで一生懸命やるかって、それは遊びだからだ。
楽しい遊びだから、必死で練習する。
遊びこそ全力でやらんとつまらん。
でも、日本の学校スポーツは、楽しさがないよね。
全部が勝利至上主義だから。
そうでない学校スポーツは、
「なんちゃって野球部」「なんちゃってサッカー部」とかいって
さげすんだりする。いろんなレベルがあって、それぞれのレベルで
楽しめばいいだけなのにね。
そういう文化がまだ日本にはある。
これを変えるにはまだあと半世紀ぐらいはかかるかもしれない。