校閲と差別用語

いま校閲ガールというドラマをやっているが、
メインタイトルに「地味にすごい!」とついている。
若い子らにとって「地味に」は誉め言葉だ。
「地味にうまい」「地味におもしろい」とかね。
このプラスイメージのない言葉を誉め言葉にするのは
よく見られる用法だね。
「やばい」とかね。
そのうち、「まずい」ってのも「おいしい」の意味になりそう。
それはそうと、校閲と切っても切り離せないのが
差別語をどのように考えるかだ。
出版社では、「戦う意思がない限り」差別用語は、
極力排除する方針になっている。
会社が大きくなるほどサラリーマン根性が出てくるから
余計そうなっているように見える。
本当は差別語ではないのに、クレームが嫌で使わなくなっている
言葉に「片手落ち」がある。
これはもう今出ている本ではまったくといっていいほど
使われていないはずだ。
「片手がない状態で生まれてくる人もいるから」という理由
らしいのだが、「片方に手落ちがある」というのが本来の意味。
編集者にクレームをつける読者は、何時間も電話口で話すらしい。
こうなると、編集者は仕事ができない。
編集者は何本もの本を進行させているから、半日つぶれると
そのあとの作業で相当苦労することになる。
だからその前に極力差別用語を使わなくなる。
この辺もドラマで表現してほしいなあ。