紙一重

詐欺事件の問題を書いていて思い出した。
「自分は大丈夫と思っている人が一番あぶない」
とよくいわれるので、自分は騙される可能性がある
と思うようにしている。
最近はまずないが、昔はそういう話がよくあった。
大学を卒業して1,2年経ったころ、大学時代の同期の友人が
「久しぶりに食事に行かないか」と誘ってきた。
食事が終わると、「今日はこの近くでセミナーがあるんだ」
というのである。
「今日は、君の人生が変わる日だよ」というので、
そこで一気に警戒心が上がった。
セミナー会場の近くまでいくと、その友人にセミナーのことを
吹き込んだ担当者が出てきて、「さあ、セミナーに行きましょう」という。
拒否すると、「二人は友だちなんでしょ。友だちの誘いを断るの?」
というので、カチンときた。
「俺とコイツが友だちかどうかは俺が決める!」
と啖呵を切ってその場を後にしたことがあった。
また別のとき、友人の友人が連れてきた新興宗教の信者が
別のベテラン信者を連れてきてこういった。
「いま入会しないと、人生のチャンスを逃すよ」
これにもカチンときた私は、
「そういうことを言っちゃダメでしょ」と言って帰った。
不安を煽ったり、人の情に訴えるようなことをいう人は
警戒したほうがいい。
あと、おじいちゃん、おばあちゃんなんかだと、
「お孫さんの教育資金に……」とか言われちゃうとすぐ出してしまう。
もちろん、まっとうな商売もその中にはあって、
言い方ひとつで詐欺的になってしまうものもあるんだけどね。
普通にやっていたんではモノが売れないから、
まっとうな商売がそもそも、不安煽り系になっているからね。
「あなたの周りには雑菌がいっぱい」っていう、テレビCMとかね。
紙一重というかなんというか。
なんだか嫌な世の中だなあ。