多摩の造成が進んでいる

先日、長女が自転車に乗りたいというので、付き添った。
いろいろと走るルートを変えているのだが、
今回は自宅近くの住宅街へやってきた。
ここは新たに500戸以上の新築住宅が作られる予定の造成地だ。
いままさに造成地が広げられようとしていて、
私がこの地に引っ越してきた5年前と完全に様相が一変した。
山がひとつなくなってしまったという印象だ。
ブルドーザーとダンプカーが走り、道路が舗装されていく。
映画「平成たぬき合戦ぽんぽこ」で見たままの景色がそこにあった。
そこに生えていた木を切り、わざわざ街路樹を植えている。
木を切り、山を削って、つくった街にやってこようとする人に、
「豊かな自然」をアピールしているこの街のPRサイトを見て、
言い知れぬ不安感を持った。
結局、ハウスメーカーも新築一戸建てを新しい造成地に売る
というビジネスモデルから脱却できないからこうなる。
空き家問題が浮上するなかで、ニュータウンと呼ばれた地域の
いくつかが空洞化しているのを、これから家を持とうとする若い世代は
知らないのだろう。
東京の多摩地区はまだまだこれからも造成が進む。
地方では、町や村がどんどん消滅していく。
これからどうなるのか、問題が表面化したときは、
もう手遅れの時期である。